【被用者の自家用車(マイカー)による事故】
(1) 会社の業務に使用中の事故
会社の業務に使用されているわけですから社有車の場合と同様、原則として会社は責任を負わされます。

【判例】
【会社に責任を認めた例】
自動車販売会社のセールスマンが、会社に申告したマイカー以外の自動車をセールス用にも使用していた場合、非申告車であってもほぼ毎日セールス用に使用していたことから、会社はその運行により利益を得、当車両に対し十分な管理監督を及ぼしうる地位にあったとして、会社に運行供用者責任を認めた例
(名古屋地裁昭48.7.9判決)
たぴたぴ会社の業務に使用し、会社も使用料を支払っていたマイカーの社用運転中の事故につき会社に運行供用者責任を認めた例
(岡山地裁昭48.11.15判決)
従業員が集金業務のため、自己所有車の運転中起こした事故につき、事業の執行中過失によって惹起したものというべきであるから、会社に使用者責任を認めた例
(高知地裁昭53.7、6判決)(交民集11巻4号985頁)
外交販売員が出張(宿泊費およぴ旅費の一部を企業が負担)のため自己所有の車を運転中起こした事故について企業の運行供用者責任を認めた例
(岡山地裁昭54.2.26判決)(交民集12巻1号287頁)
【会社に責任を認めなかった例】
会社の従業員が会社の業務と私用と両方行う途中起こした事故につき、加害運転の目的が会社の業務のためであったにせよ、当時通勤用に使用していたものの会社が特に自家用車通勤を奨励していないこと、従前、業務使用の事実が全くなかったこと
また当日の業務内容からして加害車使用の必然性のなかったこと、もっぱら、個人的便宜に基づくものであったこと等により会社の責任を認めなかった例
(大阪地裁昭56.2.26判決)(交民集14巻1号278頁)
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